2022.02.02

広告運用ツールを利用して成果を上げるコツを解説!

各業界で自動化システムが導入されていますが、広告運用も例外ではありません。実際に省人化や業務効率向上などを目的に、システム導入で業務の自動化が加速しています。

しかし広告運用においては自動化したとしても、全てをシステムに任せられるわけではなく、人間が行うべき箇所と自動化する箇所を理解して進める必要があります

さらに広告運用の自動化で成果を上げるには、初期設定やデータ量の確保がポイントになります。本記事では、広告運用の自動化ツールにおける基本的な機能を踏まえ、自動化ツールで成果を上げるコツを解説します。

この記事のポイント!
  • 広告運用では「キーワード抽出」「入札・予算配分」「レポーティング」の自動化が可能
  • 広告運用の自動化には、完全に機械に任せられるものと人の手が必要なものの2種類がある
  • 広告運用の自動化システムで成果を出すためには「初期設定」「データ量の確保」がポイント
  • 広告運用における自動化の成功には「人」の力が必要不可欠

広告運用の自動化について

従来までは製造業における比較的単純な作業を中心に、業務の自動化が進められていました。しかし昨今は、広告運用をはじめとするWebマーケティングにおいても、自動化ツールを活用することによる業務の効率化が進んでいます。

さらに広告運用ツールも日々アップデートされ自動化の仕組みが整いつつあります。とはいえ、完全な自動化には至らず、人の介入を必要とするのが現状です。その中でも広告運用ツールで自動化できる代表的な範囲には、以下3つの作業が挙げられます。

設計作業の自動化

リスティング広告を運用するにあたり、まずはキーワードの抽出や設定をはじめとした設計作業が必要です。広告は闇雲に出稿するのではなく「ユーザーがよく検索するキーワード」「各キーワードのクリック単価」などを踏まえて出稿する必要があります。

そうした予算内でどのキーワードで出稿するかを決める広告運用の設計作業では、軸キーワードと掛け合わせキーワードを収集する必要がありますが、ツールを導入することでキーワードの収集から選定まで自動化することが可能です。またディスプレイ広告の場合だと、バナーの入稿作業を自動化しているケースがあります。

運用作業の自動化

日々の業務となる運用作業では「入札」「予算配分」の自動化が可能です。Web広告はオークション形式で出稿されるため、日々予算配分に合わせて入札の調整が必要です。

さらに入札はリアルタイムで行われるため、極端にいえば常に入札管理する必要があります。しかし他の業務もある中、常に入札状況をチェックすることは現実的ではなく、一般的に自動入札機能が用いられています。また運用作業の自動化では、目標達成のための入札単価の最適化や予算配分の調整ができ、日々の運用作業が効率化されます。

レポーティング作業の自動化

広告運用状況の把握や効果測定、改善の分析をするためには、レポーティング作業が欠かせません。レポートは管理画面からダウンロードすることでデータが抽出できますが、関係者と共有するには必要なデータの精査やグラフ作成など、レポートの整形が必要です。一定のリソースが必要となるレポーティング作業ですが、自動化により短い時間でいつでも必要なデータをレポートとして抽出することが可能です。

ツールと個別開発の違い

また、自動化の方向性にも2つの種類があります。

1つ目は「ツール」で、既に開発されている既存サービスを導入する方法です。自社専用の機能開発はできないため拡張性は小さいですが、パフォーマンスが担保されていること、導入コストが小さいことがメリットです。

一方、もう1つの「個別開発」は、自社独自の自動化システムを新しく構築する方法です。自社に最適な機能を開発できますが、コストはどうしても高くなりがちです。

これらの方法は、自動化の中身についても違いがあります。「ツール」は、独自のアルゴリズムによって自動化するケースが多い傾向にあります。そのため自動化される運用の中身を細かく調整することができません。完全にツールの自動化に頼れるため工数は削減できるものの、自社の運用ノウハウを活かせず、成果をうまく出しにくい可能性がある点がデメリットです。そのため自社に広告運用のノウハウがあり、工数を削減しながら成果を出したい場合は、「個別開発」がおすすめです

広告運用の自動化で成果を出すためのポイント

ツールの導入や個別開発をすることで、ツールや自社のノウハウを用いて広告運用を自動化できますが、自動化したからといって必ずしも成果に直結するものではありません。その点を踏まえ、成果を出すためには以下のポイントを押さえてみてください。

広告における初期設計

広告運用を自動化し、省人化や業務の効率向上をしても運用の成果が下がっては意味がありません。そのため、高い成果を出すためには運用のベースとなる、以下のような初期設計が重要です。

キーワード抽出は自動化が可能ですが、あくまで規則的に抽出するだけであり、成果を出せるキーワードが選定できる訳ではありません。

そのため最終的な広告運用におけるキーワードの決定には、事業やサービスを理解している「人の手」が必要です。つまり自動化が成果を出すのは、人が行った効果的な広告の初期設定あっての結果といえます。

広告運用自動化の成功のカギは「人」

前述の通り、広告運用の自動化には自社の運用ルールを組み込んだ自動化システムを開発する方法と、自動化ツールを利用する方法があります。しかしいずれの方法にしても、成功のカギは「人」です

というのも広告運用の完全自動化は、ルール設計などを自動化し工数が削減できる反面、事業内容やターゲットに合わせた運用できないといったケースもあるためです。

そこで広告成果を最大化するためには、自社の事業・サービスやターゲットを十分に理解しているマーケティング担当者が必要不可欠です。自動化はあくまで効果を最大化するための手法にすぎず、確実に成果が出ることが保証されているものではありません。

そのため広告運用の自動化の成功には、人の作る効果的な初期設定、広告クリエイティブ、そして運用の結果から成果を最大化するための観察力・発想力・判断力が欠かせません。

とはいえ自動化自体は、省人化や業務効率向上など、高い成果を出すために有用な存在です。まずは人間が行う箇所と自動化する箇所を明確化し、運用することが成果を出す近道だということを押さえておきましょう。

まとめ

膨大なデータを扱う広告運用では、自動化が一般化しています。自動化にはSaaSとして提供されている自動化ツールを用いた方法、自社の運用ルールを組み込んだ自動化システムを個別開発する方法の2タイプがあります。

いずれも運用の完全自動化や成果の保証があるわけではなく、あくまで人の手によって作られた効果的な広告設計や戦略、施策があってこそ自動化の成果が上がります。またそのためには自社の事業・サービスを熟知したマーケティング担当者の存在が欠かせません

さらには自動化に精通した技術者も連携することで、成果の最大化に期待できます。広告運用の自動化はあくまで仕組み・手法であり、成功のカギは人が握っていることを理解し、自動化を活用することが重要です。

FLINTERSでは、自社の運用ノウハウを活かした広告運用ツールの開発を承っているため、社内のマーケティング担当者の力が最大限発揮できる広告運用の自動化が可能です。独自の広告運用ツールに興味がある、または開発をご検討の際はお問い合わせください。


執筆者

中川路 寛
KAN NAKAKAWAJI

セールス&マーケチーム所属。 オフショア開発事業のセールスとブログ執筆などのマーケ施策を担当。

前回の記事