2022.02.02
広告運用を自動化するメリットと費用について
広告運用の自動化ツールを導入することで、ツールによって対応媒体に差はありますが、リスティング広告であればGoogleやYahoo!、SNS広告であればFacebookやTwitterといった様々な媒体データを一元的に管理することが可能になります。また、ツールを正しく利用することで運用改善も期待できます。
本記事では、自動化ツールの特徴を理解し、導入するメリットや費用など基本的な内容をお伝えします。
- 広告運用の自動化ツールでは日常的な運用作業やレポート作成に適用できる
- 広告運用自動化のメリットは、工数削減や運用担当者に依存しない運用の実現
- 広告運用自動化では、広告費やアカウント数によって費用が上がる料金体系が一般的
- 広告運用自動化?はメリットだけに着目せず、注意点も押さえた上での導入が必須
広告運用の代表的な自動化
広告運用の自動化ツールでは、全ての広告運用作業が自動化できるわけではありません。その中で、代表的な自動化が適用できる範囲には以下が挙げられます。
運用作業の自動化
リスティング広告やSNS広告など、あらゆる広告媒体で運用作業が自動化できます。自動化できる具体的な項目は、以下の通りです。
膨大なキーワードの中から検索ボリュームやクリック単価情報を抽出してくれる、リアルタイムで行われるオークション状況を把握した上で入札調整を行う自動化が一般的です。自動化といっても全てが自動で実行されるのではなく、あくまで自動化の提案の中から人の手で実行する必要がある点を押さえましょう。
レポート作成の自動化
広告の運用結果や状況を把握・報告するため、運用作業の中にはレポート作成も含まれます。レポート作成は自動化が可能な代表的な箇所であり、必要なデータを管理画面から手軽にダウンロードできます。
また計算や細かい数字の入力作業が必要なく、あらかじめデータを整形しておくことでいつでもわかりやすいレポートの抽出が可能です。社内ミーティングや顧客との打ち合わせなどで必要となるレポート作業は、作成の手間も大きいものです。そこでレポート作成を自動化することで、大幅な業務効率化を実現できます。
広告運用を自動化のメリット
ここでは、広告運用を自動化する具体的なメリットをみていきます。
広告運用の工数が削減できる
自動化の最大のメリットは、運用工数が削減できることです。広告はリアルタイムにオークション形式で行われているため、本来であれば入札管理や予算調整などは常にモニタリングが必要です。
しかし広告運用だけでも多くの業務があり、常にモニタリングしているのは現実的ではありません。仮に可能だとしても多くの人的なリソースが必要です。
また自動化ではリアルタイムなオークション状況を判断し、入札管理や予算調整などを行います。そのため工数だけでなく、リソースも少なく済み、人件費が抑えられる点もメリットです。自動化により生まれた時間は、広告運用戦略の設計など人の手・思考が必要な業務に回すことで、さらなる成果の創出につながります。
効果的な広告運用が実現可能
自動化ツールではツールのアルゴリズムを利用して運用できるため、広告運用初心者でも効果的な運用が可能です。たとえば自動入札機能を活用することで、リアルタイムなオークション状況を踏まえ、自動的に成果を上げるための入札を行ってくれます。
手動入札は一律価格でオークションに参加することになります。またリアルタイムにモニタリングすることは、現実的ではないため掲載の機会損失が発生している可能性があります。
一方、自動入札はリアルタイムに適切な入札価格を算出・適用できるため、手動入札よりも成果が上がりやすい傾向にあると言われています。そのため広告運用担当者によって成果に大きく差が出るといったことがなくなり、担当者に依存しない柔軟な広告運用が実現します。
そのほかにもツールのアルゴリズムではなく、自社のノウハウを反映した自動化システムを開発する広告運用の自動化方法もあります。自社の事業とターゲットを深く理解しているマーケティング担当者がいる場合、自社のノウハウを反映した独自のアルゴリズムで運用できる自動化システムの開発がおすすめです。
広告運用自動化の費用
広告運用自動化には既存ツール活用と自社開発の2種類の方法があり、費用もそれぞれ異なります。
既存ツールの場合は、広告費の5%程度が目安。その中でも広告費やツールを導入するアカウント数に応じてプラン設定されているケースが多く、広告費やアカウント数が多いほど費用も高くなる料金体系が一般的です。
一方自社で開発する場合は、基本的には多くの初期費用が発生します。しかしランニングコストを抑えられるため、長期的に見るとツールよりも安く済むといったケースもあります。そのためツールと自社開発、どちらが自社の運用スタイルにマッチするかを加味した上で、費用についても検討しましょう。
広告運用自動化の注意点
広告運用自動化のメリットを最大化するには、自動化における注意点を理解しておく必要があります。自動化で成果を上げるためには、以下3つのポイントを押さえて運用することがポイントです。
自社にあった自動化ツールを導入する必要がある
一括りに広告運用の自動化ツールといっても、さまざまな種類のツールがあります。たとえば広告レポートの自動化ツールを導入後「イメージしていたグラフや表が作成できなかった」「広告運用初心者が使うには難しかった」など、実際に使ってみたら合わなかったというケースも考えられます。
基本的に自動化ツールの導入は有料であるため、お金を払っているのにしたいことができなければ無駄になってしまいます。そうならないためにも、自動化ツールを導入する際は自社のニーズや目的を明確にする必要があります。また自社とマッチする機能が搭載しているか、さらにそれが使いやすいかなどを十分に比較検討することが重要です。
広告運用の自動化=成果の保証ではない
広告運用を自動化したことで成果が上がったという事例はよく見かけますが、自動化したからといって成果が保証されるものではありません。
あくまで自動化は手段であり、効果的な広告設計や施策、運用結果を踏まえた改善があってこそ成果につながるものです。
もちろん自動化を導入し、これまで通り運用するだけで成果が出る可能性もあります。しかし長期的に成果を出すためには、成功の要因を考えることが重要です。最初は成果が出ても、その後も成果が上がり続けるわけではないことを理解して、広告運用の自動化に取り組む必要があります。
成果を上げるには「人」が必要不可欠
前述したように、広告運用の自動化はあくまで手段です。自動化できるのは入札管理や予算調整、レポーティングなどある程度単純な作業であり、戦略や施策を考えて実行するのはこれまで通り人の役割です。
そして広告運用で成果を上げるには効果的な初期設計やアカウント構成、運用の結果を踏まえた改善策や施策が必要です。自動化は広告運用において省人化や効率化ができる一方、それでもまだ運用担当者の経験値やスキルが必要な部分も多くあります。
そのため成果を上げるには自動化に任せっきりにするのではなく、同時に運用担当者もスキルを磨いていくことが求められます。事業やターゲットを十分に理解し、かつスキルがある運用担当者が自動化を活用することで、効率的な成果アップに期待できます。
まとめ
広告運用の自動化ツールはさまざまな機能を搭載しているため、運用やレポート作成などの自動化を実現し、広告運用の効率化を図ります。
また工数削減だけでなく、リソースや人件費削減の面でメリットがある一方、実践的な運用ノウハウが活かせない・蓄積しづらいデメリットがある点も理解しなければなりません。さらにツールによっては継続的に一定の費用が発生するケースもあります。そのため予算とのバランスを考慮しつつ、事前に料金形態を確認しておくことが必要です。
FLINTERSでは、自社の運用のノウハウが活かせる広告運用ツールの開発を承っています。長期的にランニングコストを抑えられるなど、既存の広告運用ツールにはないメリットもあります。自社開発の広告運用ツールに興味がある、または開発を検討している場合はお気軽にお問い合わせください。
執筆者
中川路 寛
KAN NAKAKAWAJI
セールス&マーケチーム所属。 オフショア開発事業のセールスとブログ執筆などのマーケ施策を担当。