2021.12.01

運用型広告の種類と配信の仕組みを解説!

商品・サービスの購買・認知を効率的にするWeb広告の運用は、多くの企業にとって欠かせないWebマーケティング手法の一つです。またWeb広告運用は、リアルタイムで入札額やデザインなどを変更・改善し配信を最適化できる運用型広告が主流になっています。

そんな広告運用ですが、作業を自動化・効率化するためのツールが多くあることはご存知でしょうか?

本記事では運用型広告の特徴や種類をはじめ配信の仕組み、自動化する方法についてご紹介していきます。

この記事のポイント!
  • 運用型広告はリアルタイムで入札額やクリエイティブなどを変更・改善しながら運用する広告
  • 運用型広告は精緻なターゲティング、成果課金型が特徴
  • 運用型広告で一般的なのは、リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告、動画広告
  • 常時オークションにかけられる運用型広告は、運用の自動化によるメリットが大きい

運用型広告の特徴

上記のように広告を最適化しながら運用できるWeb広告である運用型広告には、主に以下2つの特徴があります。

精緻なターゲティング

運用型広告は予算から配信内容、配信頻度など、配信に関するあらゆる要素を柔軟かつ流動的にコントロールできます。月次はもちろん週次や日次まで、状況や成果に応じて予算が手軽に増減でき、配信したい内容や頻度までも細かく調整できます。

さらに不特定多数にしかリーチできない従来のマス広告とは異なり、広告を配信したい特定の人々に精緻にターゲティングできる点が最大の特徴です。

実際にターゲティングできるカテゴリーはさまざまで、年齢や所在地、職業や購買行動、閲覧履歴などあらゆる条件から選定できます。さらに商品やサービスにおける「潜在層」「顕在層」など、認知や購買意欲のフェーズに応じて広告を分けて配信することも可能です。

成果課金型

運用型広告は配信枠を決まった金額で購入する定額型広告ではなく、掲載したい広告枠にその都度入札するオークション制である点が特徴です。実際に広告費が発生するのはオークションに勝ち、広告が表示されてユーザーがアクションしてから発生する成果課金型です。

そのため事前に決めた予算内で配信できるよう調整できる点が魅力。さらに広告によるリアクションが良く広告を増やして配信したい場合は、途中で予算を追加することも可能です。また広告費の下限は決まっていないため、数百円程度の低価格からでも出稿できます。運用型広告は、こうした成果課金型の特徴を持っているため、低予算から配信できる点で手軽さがあります。よって広告主は広告を出稿するか迷っている場合でも、広告をテストしながら、配信に関するさまざまな要素を適切な条件の基で配信できます。

運用型広告の種類

一括りに運用型広告といっても、主に以下の4種類に分類されます。ここからは運用型広告について、種類ごとにそれぞれの特徴をご紹介していきます。

リスティング広告(検索連動型広告)

リスティング広告は、検索エンジンでユーザーが検索したキーワードに応じて、検索結果上部の広告枠に表示される広告です。ユーザーが目的を持って検索した中で配信される広告であることから、顕在層に効果的な運用型広告です。

たとえば格安で国内旅行に行きたいニーズのあるユーザーが「国内旅行 格安」で検索したとしましょう。その場合、同じキーワードでリスティング広告を出稿していた中でオークションに勝った広告主のサイトやページが、検索画面上部の広告枠に広告が表示されます。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は「コンテンツ連動型広告」とも呼ばれ、ユーザーの興味関心に応じてランダムに配信される広告です。複数のアドネットワークにディスプレイ広告枠が用意されており、広告主が設定したターゲットに応じて最適な広告が表示されます。

また過去に閲覧した商品などを繰り返し広告として配信する「リターゲティング広告」としても、広く活用されています。

SNS広告

SNS広告は、「Twitter」「Instagram」「Facebook」などのSNS上に掲載される広告です。SNSでは通常コンテンツと同じように広告が表示でき、なおかつクリエイティブに富んだ広告を配信できる点で高いエンゲージメントに期待できる点がメリットです。

またSNSはユーザーの興味関心を把握しやすいためターゲティング力にも優れており、広告内容によってはSNS特有の拡散により爆発的に成果を発揮するケースもあります。

動画広告

動画広告は「YouTube」をはじめとする動画配信サービスに掲載されるWeb広告で、近年ニーズが拡大しています。

また文字だけのリスティング広告や静止画のディスプレイ広告に比べて、目に入りやすく商品やサービスを動画で魅力的に伝えられる点が特徴です。今後の動画ニーズの向上に伴い、動画広告の視聴環境も向上し、さらなる広告効果の拡大に期待できます。

運用型広告が配信される流れ

ここでは運用型広告が配信される流れを順にご紹介していきます。上記のように運用型広告には主に4種類の広告がありますが、基本的な配信の仕組みは同じです。

①入札

広告主は全体予算に応じて、配信する広告ごとに広告費を決定します。これを入札といい、広告の入札額に応じて配信量が決まります。

たとえば「商品A」に対する広告費を月20万円とした場合、2つのターゲットがあれば各10万円分配信するように入札するのが一例です。また広告主は入札額が顧客獲得単価の予算をオーバーしないよう、予算を調整しながら運用していく必要があります。

②オークション

運用型広告の特徴でご紹介した通り、運用型広告は掲載したい広告枠にその都度入札するオークション制である点が特徴です。このオークションにより、ユーザーの検索キーワードに応じて、入札額や広告の質などあらゆる条件から表示される広告が決定します

また昨今では入札額が高いからと上部に表示されるとは限らず、広告の質が重視されるようなアルゴリズムとなっています。

③配信

上記のオークションに勝つことで、実際に広告が配信されます。オークションはシステムによって自動的に絶えず行われているため、広告も絶え間なく配信されている仕組みです。そのため運用型広告では、広告の枠をいかにして継続的に獲得し、効率的に配信するかが重要です。

運用型広告の自動化

運用型広告では絶えずオークションが行われています。そのため広告主も出稿している広告の表示回数やクリック回数を随時確認し、効果が最大化するよう入札額などを調整する必要があります。しかし広告を常時監視し続けるのは現実的に難しいことから、運用型広告では自動化の導入が主流になってきています。自動化可能な部分は主に「入札」と「運用ルール」であり、代表的な「Google広告」「Yahoo広告」にはデフォルトで自動入札や自動運用ルールが備わっています。

広告運用を自動化する方法

現在の広告運用で自動化は基本になりつつあり、広告媒体の管理画面にはあらかじめ自動化機能が用意されています。そのため基本的な自動化はデフォルトで対応できるため、誰もが簡単に広告運用を自動化できます。

しかし広告媒体の基本機能でできる自動化では不十分なシーンもあるのが実情。そのため基本機能で対応できない範囲の自動化は、サードパーティツールを導入するケースが多くなっています。

またツールによって自動化できるポイントはさまざまです。実際に入札最適化や運用改善などの運用面に関する自動化だけでなく、広告効果の可視化や分析、レポート作成の自動化など多岐にわたります。

ただし1つのツールで必要な自動化機能が全て備わっているとは限らないため、導入すべきツール選定が難しい点は広告運用のネックになるポイントです。

一方、本格的かつ必要に応じて柔軟に自動化したい場合には、広告運用の自動化開発も1つの方法です。自動化開発では基本機能や運用ツールではできない、柔軟な自動化のカスタマイズができます。そのため企業の運用方針や業務量に応じて、必要な作業を必要なだけ自動化することが可能です。

まとめ

運用型広告は目的に応じて最適な配信ができるだけでなく、低予算から手軽に出稿できる点が特徴です。しかし入札額の調整や広告クリエイティブの変更、誘導先サイトの改善といった運用の手間が多いのも事実です。

本記事では運用型広告の自動化手法についてご紹介しましたが、FLINTERSではGoogle、Yahooなどの検索エンジンに限らず、Facebook・Twitter・LINEなどでのディスプレイ広告やSNS広告の自動化を自社のルールに合わせた開発ができます。広告運用の自動化にご興味ある方は以下のお問い合わせからお気軽にご相談ください。


執筆者

中川路 寛
KAN NAKAKAWAJI

セールス&マーケチーム所属。 オフショア開発事業のセールスとブログ執筆などのマーケ施策を担当。

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