2021.10.28

管理画面操作を1/2~1/3に大幅削減!SaaSやBPOにはない、自社独自ツールとしての開発だからこそ実現できたこととは?

創業以来、通販クライアントのマーケティング支援を展開しているワンスター。ダイレクトマーケティングに関する独自のノウハウを活かし、新規顧客獲得からロイヤル顧客育成までを一気通貫でご支援されています。

FLINTERSは、LINE、YDA、Facebookの広告運用を自動化する独自ツール「RATS」の開発・運用保守を担当。今回は、SaaSやBPOでは実現できない独自開発のメリットやRATS導入による変化についてお伺いしました。

アジェンダ


ご提供サービス

・ 広告運用自動化ツール「RATS」の開発
   (対応媒体:Facebook、LINE、YDA)


課題

・ 配信戦略の設計や分析に十分な時間を使えていなかった。
・ 運用ノウハウが属人化していた。
・ 平日夜や土日祝での作業が一部発生していた。


効果

・ 3媒体で計200案件に導入!
・ 配信準備にかかる工数を約30時間/月削減!
・ RATS導入案件の売上が成長!


第一メディア本部 本部長 櫻井 豪 様

1.代理店の価値に直結するデータ分析・配信設計に時間をかけられていなかった

FLINTERS
まずは皆様が所属されている第一メディア本部について教えて下さい。

櫻井
第一メディア本部はトレーディングデスク局、システムソリューション局、アルゴリズム解析局から構成されていて、主にダイレクトマーケティング企業様のご支援を展開しています。
広告運用を担当するトレーディングデスク局では、LINE広告、YDA、Facebook広告の3つを主要の3メディアと呼んでおりまして、それぞれのメディアごとに局体制を敷いています。

FLINTERS
ありがとうございます!FLINTERSでは、主要メディアであるYDA、LINE、Facebookの運用自動化ツールを開発しているわけですが、ご検討されるにあたってどのような課題感があったのか、早速お伺いできますか?

櫻井
平日の就業後や土日祝での運用が一部発生していて、この状態を何とかしたいと思ったのがきっかけですね。また、運用ノウハウが属人化してしまっていたこともあり、ツールを導入することでルールを統一したい狙いもありました。

FLINTERS
2つともいわゆる広告代理店あるあるですよね……。高橋様、井上様はいかがでしょうか?

高橋
私の場合、本来手をかけるべき考察・分析や中長期の戦略設計に時間を割けていなかったことです。アカウントの数や単体での売上が伸びるにつれて、どうしても管理画面を見る頻度が増えてくるので、リソースを割かざるを得なくなるんですよね。

井上
広告運用のワークフローは、データ分析・配信設計、会議や商談といった関係者とのコミュニケーション、③広告ON/OFF,入札や日予算の調整などの管理画面操作の3つになると思っていて、その中でもこそが広告代理店としてのバリューを生み出す、最も重要な時間だと考えています。
しかし、実際にチーム内のワークフローの時間配分を調査したところ、②が46%、③に28%ほど時間を割いていて、①には平均26%しか時間を回せていない状況でした。

FLINTERS
実態調査までやられていたんですね!大きな案件になると、コミュニケーションや配信準備にかかる時間も長くなってしまいますよね…。

第一メディア本部 井上 健二郎 様

2.独自開発はワンスターの強みを引き出すことが出来る

FLINTERS
お伺いしたような課題感があった中で、FLINTERSにおまかせいただけた理由についてもお伺いできればと思います。

櫻井
決め手になったのは、代理店のオペレーションやニーズに造詣が深いという点ですね。広告運用自動化ツールの開発実績があるのは以前から把握していましたが、FLINTERSさんと別の開発案件でお取り組みしている中で、プロダクトを熟知されていることは実感できていたので。
勿論、セプテーニさんとは事業領域が重なる部分もあるのですが、電通デジタルさんを始めとする他代理店への提供実績や、情報漏えい対策も徹底していただけるとのことだったので、安心してお取り組みできています。

FLINTERS
ありがとうございます!広告運用自動化については、SaaSなども検討されていたのでしょうか?

櫻井
本格的な検討まではしていないですね。僕たちがやりたかったのは、自分たちの運用ルールで動かして、勝率・効率を上げていくことだったので、運用ルールがプリセットされたタイプが主流のSaaSは選択肢から外れていきましたね。
料金体系も配信費用のうち何%というのが多く、コストがかさんでしまう点も懸念でした。

FLINTERS
お取り組みにあたって、「運用自動化ツールの機能ってどこもそこまで変わらないですよね。どう使っていくか、どういうルールを作るかがキモですよね」という櫻井様の発言は印象的でした。

櫻井
まさにそこが代理店の腕の見せ所ですし、それがないと僕たちの介在価値がなくなってしまうので・・・。
ワンスターの場合、ニッチトップでやっているからこそ生まれる運用ノウハウがあると思うので、一般的な運用自動化ツールはフィットしないのかなと思いますね。
他社へ相談しても独自開発に対応していなかったり、広告運用の知見が十分でなかったこともあり、FLINTERSさんへお願いしたいねというお話は早い段階からあがっていました。

3.管理画面での操作工数が削減&約200案件に適用!

FLINTERS
現在は、LINEとYDAとFacebookへの実装が完了しているとのことですが、どれくらいの案件に導入されているのでしょうか?

櫻井
LINEとYDAとFacebookの全案件に適用が完了しています。案件数でいうと、合計で200件くらいでしょうか。

FLINTERS
ご活用いただきありがとうございます!実際に使ってみて、現場の方のお声はいかがでしょうか?

櫻井
工数削減を既に実感している者とまだ感じていない者で二分される状況だと思います。
しかし、導入してすぐ実感が現れるものとは思っていないので、ルール設計など利用者側のスキルを高める取り組みに今後は力を入れていく方針です。

FLINTERS
なるほど、既に現れている効果でいうとどのようなものになりますか?

井上
私が担当した健康食品商材が、今年の4月→7月で月間売上を10倍以上にグロースさせることができました。もちろん、クリエイティブ開発力や営業努力が大前提ですが、3月から導入を開始したRATSによって管理画面操作の工数を大きく削減できたことにより、データ分析や配信設計に時間を割くことができたのも大きかったと思いますね。

FLINTERS
10倍もグロースさせる井上様の手腕に驚きです!先程のワークフローでいうと、①の時間が伸びたということですよね?

井上
そうですね。③の管理画面操作が約半分、大規模案件ですと1/3にまで削減できていますので、①分析や設計にかける時間も倍近くに増えています。

高橋
私が持っている大規模案件でも管理工数の削減は実感できていますね。月で運用しているクリエイティブが3,000本くらいあるため、クリエイティブの精査だけでも1日に3時間ほどかかっていたのですが、それが1時間ほどになりました

櫻井
LINEに関してはBPOをやめることができたので、コスト削減にもつながっています。
RATSのほうが費用も抑えつつ、詳細なルールやトリガーを設定できるので質も高いですしね。事業への貢献も非常に大きいです。

4.開発を進めていく中で生まれた要望や課題に対し、柔軟に対応してくれた

FLINTERS
FLINTERSと実際にお取り組みしていく中で、印象に残っていることはございますか?

櫻井
初めての取り組みですので、開発を進めながら新しい課題や発見が生まれてくる状況だったと思うのですが、そのようななかで比較的アジャイルに近い形式で進められた点はとてもありがたいですね。もちろんスケジュールを引いてはいますが、柔軟にお取り組みを進められていると思っています。
特に、現場から一部の機能を優先的に実装したいと要望があった際に、開発スケジュールをすぐにブラッシュアップ頂けた点は良かったですね。

FLINTERS
契約段階でアジャイル的に進めたいというご要望はお伺いしていましたので、弊社としても良かったと感じています!

高橋
少し細かいのですが、アカウントの追加申請などすぐにご対応頂けた点は改めて感謝をお伝えしたいです。私が荒井さんにご連絡した翌日には完了していたので、現場からも「もうできたんですか!?」と驚きの声が上がっていました。

FLINTERS
ありがとうございます!RATSの品質やクオリティについてはいかがでしょうか。

櫻井
僕が直接操作する機会はあまりないのですが、誤作動やバグはありませんので、品質に対する懸念は特に無いですね。

高橋
初めてのメンバーでも直感的に操作できるUI・UXだと感じています。

FLINTERS
セプテーニグループで開発してきた土台があるので、代理店の皆様は受け入れやすい形ができているのかもしれませんね!

第一メディア本部 高橋 知貴 様

5.データ活用でインターネット広告業界を牽引するワンスターへ

FLINTERS
最後にはなりますが、御社の今後の展望について教えて下さい

櫻井
もっとデータ活用を加速させていきたいですね。RATSのように、散らばったデータを集約して活用する取り組みを増やしていければと思っています。
事業部内のデータインフラは整ってきているので、財務データや査定データなど全社のデータ環境の整備を働きかけている段階です。案件の差配や人材配置など、全社的にデータ活用を推進していければと考えています。

井上
属人的作業をどうデジタライズしていくか、というのは代理店、クライアント問わず共通の課題感だと考えていますので、ワンスターがそこをリードしていけるような存在になれればと考えています。
インターネット広告業界全体の生産性を高めていきたいですね。

FLINTERS
まさに仰るとおりだと思います!櫻井様のお話についてだと、セプテーニグループでも「AI人事」などを展開していますし、活用の幅は広いかもしれないですね。

FLINTERS
FLINTERSやRATSへはどのような期待をお持ちでしょうか。

高橋
今までは広告精査や日予算管理といった守りの機能が多かったかと思うのですが、今後は攻めの機能を一緒に開発していければと考えています。

FLINTERS
弊社としても是非挑戦したい領域ですね!ありがとうございました!


インタビュイーご紹介

櫻井 豪 
2011年中途入社。2013年システム専門部署としてシステムソリューション局設立、局長就任。
2020年よりメディア局とシステムソリューション局を統合し第一メディア本部を設立、本部長就任。AI/データ活用を推進中。
井上 健二郎 様
2014年ワンスターに新卒入社。初期配属で営業を経験後、同社の関西進出に伴い営業責任者に就任。
2019年人事の新卒採用担当を経て、2020年より第一メディア本部へ。現在は媒体アルゴリズムの解明に従事。
高橋 知貴 様
2019年に中途入社し、メディアプランナーとして広告の費用対効果改善とクライアント様の売上最大化に従事。
2021年より第一メディア本部 第二トレーディングデスク局 セクションリーダー就任。